November Letter

レビュー

　現在の同人音楽の礎とも言える
beatmania風ＰＣエミュレーター
ＢＭＳだがその最盛期は二〇〇〇
年代中盤頃と言われている。
　その後の東方・ボーカロイド系
ブームにも続く名クリレイターを
生み出したＢＭＳ界だが、中でも
異色の音楽性により他を圧倒した
存在が紹介するBitplaneである。
　本作はオリジナル系アルバムの
第２作目で、他アルバム参加曲や
ＢＭＳ大会投稿曲等、様々な楽曲
が収録されたシングル集という趣。
傾向としてはクラブ・テクノ系が
多いが、圧倒的な密度で響き合う
音色の濃さは、単純なジャンルで
縛れる代物ではない
　冒頭から月面探査を連想させる
スペーシーで壮大な電子音の調べ
に圧倒され、続くＭ２で警告音の
ように鳴り続けるシンセベースに
乗り、電子の宇宙へ航海が始まる。
アナログ寄りに鳴動する焦燥感を
煽る音、ボーカロイドやインスト、
英語詩の呟きを脈絡なく横断する
構成は、未知との遭遇と呼ぶべき
前人未到のドラマを展開していく。
ラストエンペラーの名に相応しい、
ミクスチャーの極地に輝く怪作。

 

01.Introduction(01:02）
02.Omega(02:57)
03.恋は、Sensation(03:52)
04.Rescure Me(05:18)
05.You Can't Deny(04:49)
06.Astro Toilet(04:42)
07.Trippy As A Haigha(03:56)
08.Man With Diamond Eyes(05:35)
09.エイリアン Love(03:56)
10.H2O Imagee(03:55)
11.Nunz(03:09)
12.QRY(03:20)
13.Occultic Method(04:43)

All Tracks,Jacket Artwork：
Bitplane-愛新覚羅溥儀